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園長通信

園長先生からのメッセージ

17.ディスプレイ文化の進行

2010-04-07
前回(VOL.11)にてTVの弊害や早寝早起きの大切さをお話しましたが、新聞によると、遅く寝ている子、夜10時以降に起きている子は何をしているかというと、そのほとんどはテレビやビデオの視聴です。その原因は子供が大人の生活習慣と同じになっていることです。そして、子供の食事の様子で気に掛かっていることの7割近くが「テレビを見ながら食事をすること」です。だったら切ればいいことですが、TVがBGMのように生活に当たり前のようになっている状態では、ことに難しさもあります。
実際に幼児期の子供がTVを見ている時間は、平均2時間12分と言われています。世界で一番テレビを見る民族です。次はビデオですが、例えば2歳児のビデオ利用は幼児番組の少ない時間帯で利用されることが多いというのです。ということはTVの幼児番組が終わるとすぐさまビデオを見ていることを表しています。こういったように日本の子どもはいつでもテレビを見られる状態が当然だと思っているので、我慢することがしだいに苦手になってきます。それとTVゲームやパソコンの進行。最近は低学年でも使える子が出てきています。これらメディアを総称してディスプレイ文化の進行といいます。

ショッキングなことにアメリカの小児学会の報告ですが、乳幼児期にテレビを多く見た子ほど、就学してから集中力が弱い、落ち着きがない、衝動的な行動をとりやすい危険性が増えてくることが報告されています。日本の小児学会でもTVやビデオを見ている子どもは、そうでない子どもに比べて言葉の発達の遅れがあると報告されています。
こういったTVやビデオの視聴にたくさんの時間を費やすので、親との絆も少しずつ希薄になってきているのではないかと思います。つまり、未熟な「個」の出来上がりです。こんな状態がジワジワ蓄積されて、落ち着きのない子ども、切れやすい子どもが乱造されているとしたらどうでしょうか。この子達が大人になったらと・・考えるのは私だけでしょうか。
そこで様々なメディアに対して、5つの提案を参考までにここで紹介します。
? 授乳中や食事中のTVは極力控える!消す!
? TVやビデオの視聴は一日2時間までとする。それより、人と関わる戸外の遊びをしてその楽しさを体験させる。 
? TVは見る時間を決める。番組を決める。 
? 見終わったら消す!(ここが大事です) 
? TVを見せるときは、親も一緒に見る。・・会話をしながら見る。・・です。

家庭でTVやメディアに対して話し合い、ルールなどを作って少しでも今の状況を一変することが必要なのではないでしょうか。TVの奴隷になっていませんか?
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